どうも皆さんこんにちは。
今日は「【実録】パパ目線からの出産レポート」というテーマでつらつらと書いていこうと思います。
※かなり長くなりそうな予感がしているので、飽きたら即座にブラウザバックすることを推奨いたします。
「怪獣ギャオス」爆誕
時は2024年12月31日(火)。
そう、多くの人々が時に感謝を、時に後悔を思い浮かべながらその1年を振り返り、来たる新しい年への希望と緊張を抱くその日に我が子(のちのギャオス)は誕生した。
そのお産の過程も文字通り「壮絶」で、予定日から4日が過ぎた12月30日(月)の朝、妻は入院。もともと立ち会いは「産まれる1時間前から」と言われていたので、妻を産院へ送り届けたあと私は一旦帰宅。妻はすぐにバルーンを入れられ、促進剤の投与が始まった。
1日目の午後にバルーンが抜けたものの、子宮口の開きは4cmほど。定期的にテレビ電話を繋いで声かけをしていたが画面越しからでも伝わる妻の憔悴しきった表情にえも言われぬ感情になったことは言うまでもない。
最初の促進剤投与からおよそ30時間が経ち、入院2日目の午後に差し掛かったとき妻から「今すぐ来て」と連絡を受けた。
進み具合を逐一知らせてもらっていたので、このタイミングでの呼び出しに違和感を覚えつつ、すぐにタクシーに乗り込み産院へ向かう。
到着するなり先生に声をかけられ、「子宮口の開きは4.5cm。赤ちゃんの頭も動いていない。いわゆるお産が止まった状態で3時間が経過している。これは下から産むのは難しいので緊急帝王切開に切り替えます」と告げられた。
「なんでもいいから早く出してあげてほしい」と思うと同時に「下から産みたかった」と涙をこぼす妻を見て形容し難いとても複雑な感情になりながら
「お願いします」
と妻を送り出す。
送り出してから1時間ほどが経過したときだろうか。
待機していた部屋の外から助産師さんに声をかけられたので部屋を出てみると、そこには泣きもせず不思議そうな顔で助産師に抱かれる息子の姿が。
身長50.0cm、体重3,348g
これだけ見ると「よくいるサイズ感か…?」と感じるかもしれないが、先生に「こりゃ下から産めないわ」と言わしめる頭の大きさを誇っていた。
「初めまして。ママ似だね」
などというとても教育機関に勤めているとは思えないほどのコミュ症っぷりを発揮しながら初めての挨拶を済ませ、複数枚写真を撮らせてもらってから待機室へと戻る。
立ち会いができず、あまりにもあっけない初対面だったので、父になった実感を持てなかったのも正直なところである。
妻とギャオスの入院生活
本来なら4泊5日のはずだった産後の入院だが、帝王切開でのお産だったこともあり2日伸びて6日7日となった。
面会は1日1時間まで。
当然毎日通った。
もちろん毎日少しずつ人間味を帯びていく我が子の顔を眺めることも楽しみだったこともあったが、なにより妻のこと(心身ともに)が心配で通っていたように思う。たった1時間で私自身にできることは皆無と言ってよかったが、私の顔を見て少しだけ表情が明るくなる妻の様子に私の心も少しばかり救われた。
面会以外の時間はギャオスを迎え入れるべく、家の掃除、ベビーカーの組み立て、ミルクウォーマー・ポチッと(哺乳瓶除菌用)の使用方法確認および動作確認、寝具の水通し、帰ってくる妻と息子へのささやかなサプライズの用意…と慌ただしくも幸せな時間を過ごした(毎日ジムに通ったことは言うまでもない)。
退院前夜、サプライズの準備
自他ともに認めるサプライズが下手くそな私。
しかし今回ばかりはと意気込み、手始めに「welcome baby boy」と書かれた壁にかける飾り物と風船のセットをAmazonで注文した。
さすがはAmazonプライム。注文した商品は翌日に届いた。
風船が萎んではいけないので、「準備は退院日の前夜にしよう」と心に決め、ついサプライズのことを口走ってしまいそうになる面会を4度ほど終えて、ついに準備の日がやってきた。
しかし、開封してから気づくのだが、思い返してみるとこれまでの人生において「風船を膨らませることができた経験」が一度もなかった。
いざ風船を目の前にしても、小学生の頃に「こちらの顔が膨れるのではないか」と思うほどに顔を真っ赤にしながら息を吹き込むも微動だにしなかった思い出が走馬灯のように蘇るのみ。
とはいえ、それから10年以上が経過している。
「さすがに私も成長した」
と、根拠のない自信を持って大きく息を吸い込み、小さな風船めがけて目一杯に吹き込んでみる。
どうやらこの十数年で成長したのは私だけではなかったようだ。”あの頃”とは明らかに違い、間違いなく強くなっている風船の強靭なフィジカルに阻まれ、私の渾身の一撃は部屋のどこかへ消えた。
「3匹の子ぶた」に登場する例のオオカミもレンガの家の前で同じ感情になったに違いない、などという余計な妄想を挟みながら、机の上のPCに
「風船 膨らませ方」
と入力し、エンターキーを押す。
すると43万回も再生されている「風船膨らませるの、早いですか??」というタイトルのショート動画が目に入る。
「別にスピードを求めているわけではないが…」
と思いつつもその動画を再生する。
すると約8秒で風船を膨らませる女性。
スピードに関心しつつ何度か繰り返し再生していると「どうやら息継ぎは鼻で行った方が良いらしい」という当たり前の事実と、いたずらにただ吹きかけるのではなく「一点のみに集中して息を吹きかけるイメージ」を持つことが重要そうだということに気がついた。
ものは試し。早速実践してみるとなんと成功!人生で初めて風船を膨らませることができた瞬間だった。
しかし喜んだのも束の間、なかなか2個目が膨らまない。
「あれはたまたまだったのか、、」「この際、風船は1個でもいいんじゃないか、、」なんていう気持ちが顔を覗かせる。
そんな気持ちに蓋をしながらふたたび”例の動画”を視聴し、コツを思い出す。
1個目の成功からおよそ15分が経過したとき、ようやく2個目が完成した。
息を吐きすぎて頭が痛かったがもうコツは掴んだ。
その後四苦八苦しながらも計10個の風船を完成させ、ベッドの上に散らばらせた。
さらに予め用意しておいた「ピエールエルメ」のチョコレートと東京は丸の内にある「フォーシーズンズホテル」のダブルチョコレートクッキーを中心に添えた。
我ながら思った以上の出来栄えについ頬が緩んだ。
妻と息子の退院、サプライズのゆくえ
ついにその日を迎えた。
朝10時。これから始まる生活に大きな緊張と少しの希望を抱きながら産院へと向かう。支度をしている最中、他の部屋からも次々に泣き声が聞こえた。
「あぁ、みんなこうして親になるんだなぁ」
と思いながら、哺乳瓶に30mlのお湯を注ぐ。
産院での最後の授乳を済ませたあと、お世話になった先生たちに挨拶をしてタクシーに乗り込む。
20分ほど揺られて自宅に到着する。
約1週間ぶりに帰ってきた自宅を前に安堵の表情を見せる妻。
そんな妻に
「おかえり、がんばってくれてありがとう」
と平静を装いながら声をかけたが、頭の中はサプライズのことでいっぱいだった。
そんな私の気持ちとは裏腹に、部屋に入るなりリビングで荷解きを始める妻。
「一旦部屋着に着替えたら?」
というなんとも下手くそな誘導で寝室に行くことを促す。
案外素直にその誘導に乗ってくれて、寝室の扉に手がかかる。そんな妻の背中をにまにましながら見つめる私、相変わらず不思議そうな顔をしている息子。
ついにドアが開き、妻の目に「welcome baby boy」の文字が飛び込む。
3秒ほどだろうか。
少しの沈黙があったあと、振り返った妻の目にはすでに涙が浮かんでいた。
「おかえり、がんばってくれてありがとう」
今度は心の底から感謝の気持ちを伝えることができた。
プロポーズのプランすらグダグダで、”それを受ける側の妻”から当日にアドバイスを受けた私が生まれて初めてサプライズを成功させた。その安堵感と妻のクシャクシャな泣き顔はおそらく一生忘れることはないだろう。
その翌日は予約しておいた麻布十番の「やま幸」の手巻き寿司セットで十月十日と12日ぶりにお寿司パーティ。もともと月に1回ほど1人で回らないお寿司に行くほどお寿司が好きな妻とそれにつられてお寿司が好きになった私。
その日以来3日に1回スシローのテイクアウトが食卓に並ぶことになったのはいうまでもない。

ここまで読んでくれた方、どうもありがとうございます。
しょうもない文章ではありますが、今後も育児レポを更新していきますので「どうしても暇なとき」、ぜひおともさせてくださいね。
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