どうも皆さんこんにちは。
こちらは自他ともに認める脳筋な私が育児に奮闘する様子を記した育児ログシリーズです。
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はじまり
かくして、私の父親としての生活がスタートした。
昼間は入院期間の1週間でみっちりお世話を叩き込まれた妻に教わりながら、二人三脚でお世話に励んだ。
ひたすら泣き続けるギャオスを前に
「お腹すいたのかな?」
「いや、まだ前回のミルクから1時間半しか経ってない」
「オムツは?」
「おしっこもうんちもしてない」
「苦しいのかな?」
「さっきゲップしてたよ」
などという会話を繰り返しながら、「息子を知る」ために奮闘する。
そんなこんなで時間は流れ、初めての沐浴。
お湯に入った瞬間こそ泣いたものの、すぐに静かになった。
さすがのギャオスもサウナー夫婦の遺伝子には抗えないらしい。気持ちよさそうにクーイングする姿がとても愛らしかった。
ギャオスの沐浴を終え、私たち2人も順番にお風呂に入る。
初めての夜勤
3人の入浴が終わると待ち受けるのが「寝る時間」である。
生まれて1ヶ月やそこらで「ギャオス」というあだ名がついていることからもお察しだろうが、我が子は赤ちゃん会でもトップクラスで声が大きく、そして、寝ない。
入院中、夜間は助産師さんに預かってもらっていたとしても、妻の部屋まで轟く泣き声。
「誰よりも大きな声で泣いてましたよ」と助産師さんに言わしめる彼の実力は間違いなく”ホンモノ”である。
そんな彼を1人でお世話しなければならない。
それも夜中に。
我が家では21:30〜4:00、4:00〜10:00のシフト体制を敷くことに決めていた。
基本的には、比較的夜に強い妻が前半、朝型の私が後半、というふうに計画していたが、「夜に強い」とは言っても、産後の、それも帝王切開明けの妻に連日連夜4時まで子守をしてもらうわけにはいかないので様子を見ながら前後半を交代しながら運用することにした。
家族3人で迎える初めての夜、私は最初の計画通り後半(4:00〜10:00)を担当することになった。
21:30頃にベッドに入るも、来たる4時に向けての緊張感で全く寝付けなかった。
やっと寝付けたと思っても、緊張から眠りが浅くなっていたのか1時間おきに目が覚めた。
そして、ついに4時を迎えた。
夜通し泣かれて疲れ切った妻に労いの言葉をかけ、寝室へと送り出す。
リビングに残ったのは”生後10,136日の私”と”生後8日”のギャオスの2人。
「さぁ、始まった」
と気合を入れ、すでに泣いているギャオスを横目に手始めにぴよろぐを確認する。
どうやら交代の直前におむつ交換は妻がやってくれているらしい。
「じゃあミルクか」
と、哺乳瓶に手を伸ばすが、2本あるはずの哺乳瓶が1本しかない。
まさかと思い、ミルクウォーマーに目を見やると40℃に設定されたケースの中に80mlのミルクが入ったPigeonの哺乳瓶が見えた。
恋人関係や夫婦関係を円満にするには「相手を思いやる気持ちが大切」などとよく言うが、妻のこういった細やかな気遣いが「次はこちらがなにかしてあげたい」という気持ちを生み、それが連鎖していくことで関係が良くなっていくのだと思う。親切の血液循環である。
ほんのり温かいミルクを手に取り、授乳クッションを膝の上にセットする。
そこにギャオスを迎え入れ、無機質で透明な乳首を小さなおちょぼ口に挿し込む。
その瞬間、それまでギャーギャー泣いていたはずの息子も夢中でミルクを吸い始める。
「これが吸啜反応か」
などと思いながら様子を見守る。
しばらく、息子の喉をミルクが通りすぎる音だけが部屋の中を流れる時間が続いた。
80mlを20分ほどかけて飲み干し、続いてはゲップの時間である。
まずは膝の上でギャオスの上体を起こす。次に右手の中指と親指をギャオスの輪郭に沿わせるようにしてアゴを持ち、右腕の前腕部でギャオスの胸元を支えるようにしながら前傾させる。その状態でギャオスの背中を下から上に優しく擦り上げる。
「酔っ払いの介抱みたいだな」
などと余計なことを考えつつしばらくさすっていると、「ぐふぇっ!」というおっさんのようなゲップが出た。
事前にYouTubeで予習しておいた「モロー反射を抑えるためのおくるみの巻き方」を実践し、そのまましばらく抱きかかえたあと夜勤者用の布団の横に設置したベッドインベッドに置いてみる。
背中スイッチが発動することなく、寝てくれたので添い寝するかたちで私自身も横になる。
本来ならここで私も寝て自分自身の睡眠時間を確保すれば良いのだろうが、YouTubeや書籍などでおくるみによる窒息死の危険性やSIDS(乳幼児突然死症候群)について、なまじ事前に調べすぎてしまっていたことがある意味で仇となり、緊張から私の目はバッキバキでとても寝れるような状態ではなかった。
ただ、今思い返してみても、入院時の母子同室で先に夜勤を経験した妻とは違い、「夜の赤子の様子」を知らない私がここで寝るなどという選択をするのはやはり論外だと思うので、当時の選択は間違ってなかったと信じている。
(2日目以降、「寝れるときに寝る」選択をするためにも最低でも1日は「寝ているときの赤子の様子を見守る日」を設けてみることを強くお勧めしたい。)
途中、7時の回のミルクを用意したり、哺乳瓶の除菌を行ったりしながら時間を潰す。
「ギャオスは寝ているときにいびき(正確には鼻の奥の空気を通る組織が大人に比べて柔らかいことから起きる振動によるものらしい)をかくらしいな」とか、「おくるみで巻いてても手足の動きが活発すぎて、そのうちおくるみを突き破りそうだな」とか、「”また寝入るときのふすふす”と”覚醒寸前のふすふす”は後者の方がすこし音が高いらしい」などといった観察結果を得ることができた(どれもサンプルは”1″である点にご留意いただきたい)。
また、どれだけ動いても巻いたおくるみが口元まで上がってくるようなことはなく、「しっかり巻けば大丈夫そうだな」という感触も得られた。
途中何度か覚醒しそうになる瞬間はあったものの、結局この回は1時間半ほど寝てくれた。
もしかしたらもう少し寝られたのかもしれないが、前述の”いびきのようなもの”の音が止まるたびに、「息が止まったのでは?!」と心配になり、胸元に耳を近づけて呼吸確認をする、ということを繰り返していると、その些細な刺激がモロー反射を促してしまい、突然パッチリとお目目を開かせてしまう結果となった。
「まぁ最初はこんなもんだろう」
と、得意の自己肯定で自分を褒める。
とはいえ次のミルクの時間までは1時間ほどある。
ひとまずおむつを確認してみる。
メリーズファーストプレミアムの黄色のラインが真っ青に変わっていた。
続けて、ギャザーの隙間から中を覗いてみると、真っ黄色でそして柔らかな新生児らしいうんちも大量に出ていた。
「親になる」ということ
「この様子だと俺が近づかなくてもそのうち起きてたな」
と、誰に対してでもない責任逃れの独り言を放ち、綺麗なおむつをセットする。
側にお尻拭きを用意し、両側についている黄緑色のマジックテープを片方ずつ外す。
おむつを開くと先ほど隙間から見たうんちが所狭しとおむついっぱいに広がっていた。
「これは気持ち悪かっただろうなぁ」と思いながら両足を左手で掴み、レバーのように奥へと倒す。
男の子の”ソレ”の裏にもミッチリとついていたうんちを綺麗に拭き取り、汚れたおむつの中にお尻拭きを入れて丸める。
あらかじめ準備しておいた臭い漏れ防止用のパン袋に野球ボールサイズに丸まったおむつを入れようとしたその刹那、
「ぷりぷりぷりっ」
というかわいらしくも恐ろしい音が部屋に響く。
急いでギャオスの方へと視線を戻すと、黄色の物体が穴の向こうからこちらの様子を伺っていた。
咄嗟に「26円」という金額が頭に浮かび、その次の瞬間には左手を差し出していた。
1枚26円のおむつと引き換えに、私は人生で初めて我が子のうんちをその手に収めた。
幸いにも量はそこまで多くなかった。
その昔、私が中学生の頃だっただろうか。
「お前が赤ちゃんのとき、毎晩のように口で鼻水吸うてやりよったわぁ」
と父に言われたことがある。
私が新生児だったのはかれこれ27年も前の話なので、その時代には”電動の鼻水吸引器”なるものも存在しなかったのだろう。
それを聞いた私は
「たとえ我が子でも鼻水を口に入れるのはなんか嫌だな、、」
と思った記憶がある。
そんな私が、今まさに我が子のうんちをその手に握っている。
「これが親になるということかもしれない」
そんな思いにふけながら左手のうんちを拭き取った。
同じ気持ち
その後、30分ほど抱っこでギャオスをあやし、7時になると同時にミルクを飲ませる。
そこからの流れは4時の回とおおよそ同じであったため割愛するが、紆余曲折ありながらなんとか10時を迎える。
10時のミルクを飲ませていると妻が起きてくる。
「おはよう」
と、お互いへの労いの意味も込められているであろう挨拶を交わし、私はミルクを飲むギャオスへと一旦視線を落とす。
ゴクゴク飲み続けるギャオスを確認した後、妻に掛けたい言葉があったので顔を上げると妻もなにか物言いたげにこちらを見ていた。
考えてることはきっと同じだろうな、と直感し、先を譲る。
「私たち、なんとか初夜を乗り切ったね」
めいっぱい同意の気持ちを込めた微笑みを返す。
かくして、私たち夫婦は文字通りギャオスを一晩「生かす」ことに成功した。
ここまで読み進めていただきありがとうございます。
また定期的に更新します!
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