地震保険の申請について

こんにちは。

先日の能登地震について、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。引き続き、余震や津波には十分に気をつけてください。

さて、今回は損害保険会社に勤務していた経験のある筆者が「地震保険の申請について」というテーマで記事を書かせていただきます。

なお、本記事では地震被害時における地震保険金請求のための初期対応という観点で「地震被害に遭った際まず何をすべきか」「今後の万一に備え、何を準備しておくべきか(何も起こらないことが何よりですが…)」などを把握していただけたらと考えております。

本記事にておおよその対応方法を把握していただいた上で、実際の手続きなどについてご加入の保険会社にお問合せいただくと少ないストレスで手続きを進めていただけるかと存じます。

地震保険の対象となる損害について

早速ですが、まずは地震保険で支払い対象となる損害について確認していきましょう。

地震保険では、地震・噴火またはこれらによる津波(以下「地震等」といいます。)を直接・間接の原因とする火災・損壊・埋没・流失によって、保険の対象である居住用建物または家財(※)が損害を受けた場合に、保険金をお支払いいたします。(東京海上日動火災保険の地震保険約款からの抜粋)

※居住用建物・家財のうち、どれを対象として地震保険を契約しているかは保険証券にてご確認ください。

続いて、地震保険の対象となる損害の具体例についてです。

【地震保険の対象となる損害の具体例】

・地震の振動による倒壊、破損
・地震の振動により転倒したストーブによって生じた火災による焼損
・地震による津波によって生じた流失、倒壊
・噴火に伴う溶岩流、噴石、火山灰や爆風によって生じた倒壊、埋没
・噴火に伴う火砕流によって生じた焼損
・地震や噴火の結果生じた土砂災害による流失、埋没

地震で部屋が荒れた場合

それでは次に、具体的な対応方法について確認していきます。

例えば、地震で部屋が荒れてしまった場合。

片付けに取り掛かる前にまずやっていただきたいことがあります。

それは部屋の写真を撮ることです。

お手持ちのスマートフォンで大丈夫なので、なるべくいろいろな角度から複数枚写真を撮っておきましょう。

地震保険金の請求は原則調査員の訪問が必要となっていますが、コロナ禍で導入された自己申告制度によって以下の2通りから選択することが可能となっています。

  1. 調査員による訪問
  2. 書面による損害の自己申告(書類及び写真を郵送orWEBで提出)

書類及び損害状況写真の提出を自分で行う「自己申告制」を選択することで、迅速に保険金請求手続きを行うことができます。

写真を撮影する際、押さえておきたいポイント・撮っておくべき写真は主に以下の2パターンです。

  1. お部屋全体がわかる写真(部屋全体を引きで、且つ複数角度から撮影しておきましょう)
  2. 損害を受けた箇所・モノのアップでの写真

なお、自己申告制をとる場合、写真が提出できなければ保険金を請求できないので注意が必要です。事情により写真が撮影できない場合は調査員に現場に立ち会ってもらうことになります。

ちなみに保険金の申請を行う前に、地震による損傷箇所を自費で復旧・修理した場合でも、修理した部分の写真を撮影して提出すれば、地震保険が適用できるかの判定を行なってもらえます。こちらは上記いずれの方法(調査員の訪問、自己申告)をとった場合でも同様です。

まずは保険証券のご確認を

冒頭に書いた「地震保険の対象が何になっているか」や「申請時の問い合わせ先」などについては契約締結時に受け取る保険証券に記載があります。

今回の災害にて被害に遭われた方のみならず、日本に住んでいる限りはいつ何時地震の被害に遭うこととなっても不思議ではないので、災害時に家から持ち出すもの(貴重品など)の中に保険証券は必ず入れておくようにしましょう。

地震保険金の請求期限は3年

地震保険の請求権は権利が発生した翌日から3年間有効です。

災害直後の保険会社の電話窓口は大変混雑いたします。

しかしながら上記の通り3年間は請求権がありますので焦ることなく、まずは身の安全を確保した上で申請を行なっていただければと存じます。

「保険金を使って…」それ大丈夫?

大きな自然災害が発生した直後には保険申請代行業者やリフォーム業者などによるトラブルが多くなる傾向にあります。

過去にも 「保険金を使って、自己負担なく自宅の修理ができます」というような形で勧誘を受け強引に契約を結ばされたり、途中で解約しようとしても高額なキャンセル料を請求されるなどといった事例が発生しています。

 「保険金が使えるので」と謳う業者が訪問してきたり電話を掛けてきても、すぐ契約を結ぶことはせずに、必ずご加入先の損害保険会社または代理店に連絡するようにしてくださいね。

最後に

ここまで読み進めていただきありがとうございました。

できるだけ正確な情報をお届けできるよう、勤めていた頃の記憶を辿るのみならず大手保険会社各社の情報を確認しながら記事を作成させていただきましたが、もし誤った情報を記載してしまっている部分がございましたらコメントもしくはX(Twitter)のDMにてお知らせいただけますと幸いです。

今回被災された方々に心からお見舞いを申し上げるとともに1日も早い復興をお祈りしております。

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